「あの大鴉、さえも」を観たはなし
13日19時開演
「あの大鴉、さえも」を観劇しました。
元になった作品も知らず、あらすじも読まずに観たので先入観が全くない状態で楽しめました。
片桐はいりさんが出ている舞台は「不倫探偵」に続いて2度目、
小林聡美さんと藤田桃子さんは初!
3人ともセリフがめちゃくちゃ聞き取りやすく、さすがでした!
小林聡美さんの舞台を見たいがためにチケットを取ったようなものなので、
ステージに出てきた時は「本物だ!」って感動したなあ~
不条理劇ということでストーリーの感想は特にありませんが、
演出が素晴らしかった!
音の使い方や女性3人が男性の役を演じていたこと、セリフではなく体の動きで体現していたことなど全てが枠にとらわれていなくて。
小野寺修二さんが演出or振り付けを担当した舞台作品を観るのも初めてで。
無言劇と呼ばれるパントマイムと、照明・セット・音楽と、演劇の要素が入り混じり
すごく不思議な空間が作られていて、新しい世界を観たようでした。
冒頭はキーンとした冷たい無機質な音から始まったと思いきや、
時間が進むに連れてどこかの民族音楽を思わせるような音や梵鐘を鳴らしたような音、伝統的な笛の音と、国も時代も関係なくいろいろな音が聞こえてきて。
そして最後は蛇口から出たパチンコ玉が床に落ちる音と車輪が回転する音という簡素なもので終わり、すごく自由な音の使われ方をしていました。
照明によってそこに大ガラスやチェス盤があるかのように見せていて面白かったな。
「そこにはないのにあるように見える」という演出は照明以外にも見られて、
3人で会話をしているのに3人とも全く別の方を向いていて、
それぞれの空間が切り取られている感じだったり
大ガラスが板からロープ、光、空気と形を変えていったこともまさにそう。
当てられている照明によって壁の質感が変化しているように見えたことも不思議で面白かったです。
四角のつぎはぎで壁が作られていましたが、
通常の照明の時は四角を感じさせない普通の材質、
白っぽい照明の時は四角が浮き彫りになり、
青い照明の時はつるつるした光沢のある材質に見えました。
壁の細工も。
おそらく壁にマグネットが仕込まれていて、黒い板やチェス盤がくっついたり
壁と壁の接点が実は隙間になっていて板が吸い込まれていったり。
蛇口から水とパチンコ玉が出てきた時は壁の裏側がどうなってるかめちゃくちゃ気になりました!
特に大きなストーリー展開もないし、よく分からなかったけど、
全然飽きることのない1時間30分でした!
ではっ!